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130th ANNIV. SPECIAL WEB MAGAZINE Advance! キャリア形成と自立志向を「ジブンゴト化」するウェブマガジン

vol.12

卒業生の社長にインタビュー!

共立社長のオキテとホンネ

「守りに入った瞬間、成長は止まる。好奇心を刺激する体験をたくさんして」/坂本直美さん

2017.10.26

31歳の時に実家の坂本呉服店を継いだ坂本直美さん。若い人にも着物を楽しんでもらえるよう、変化を恐れず改革を進めた結果、フォーマルを中心に扱う呉服屋をより多くの人に愛されるお店へと発展させました。過酷な運命をタフに乗り越え、どんな時も“楽しい”を軸に働く坂本さんに、人生を前向きに楽しむヒントを教えていただきました。

坂本呉服店 代表取締役

坂本直美さん

共立女子短期大学生活科学科卒業後、アルバイト先のスポーツ店に契約社員として入社。販売スタッフとして働きながら、同期入社の友人とバリ島にてビーチウエアの輸入業を始める。5年勤務した後、インドネシア政府奨学金留学生としてバリ島に留学。帰国後、家業の坂本呉服店を手伝うことに。2002年にお母様に代わり、代表取締役に就任する。

家業を継ぐ気は1ミリもなし!
運命に導かれるかのように、三代目店主へ

――短大卒業後、スポーツ店で接客スタッフとして働く傍ら、友人とバリ島へ通い、ビーチウエアの輸入業を始めた坂本さん。その後、バリ舞踊を学びに現地へ留学するなど、その経歴は実にオリジナル!
 
「輸入業と言っても現地でかわいい布を買って、こちらから指定したデザインで現地の業者に作ってもらうだけ。しかも卸し先(売り先)は、勤務先のスポーツウエア店(笑)。家業の呉服店を継ぐ気は1ミリもなかったので、自分の思うままに過ごしていましたね」
 
――バリを訪れるたび「移住したい」という気持ちは募るばかり。インドネシア政府が実施する奨学金留学生の試験を奇跡的(!)にパスしたこともあり、会社を退職して留学することにしたそう。
 
「“バリ舞踊を学ぶ”という名目で行ったので(笑)、当たり前ですが、現地ではバリ舞踊漬けの毎日。バリの青空と波とゆったりとした優しい空気感に包まれて、最高に楽しい1年でした」
 
――そんな坂本さんの人生が大きく変わったのは、日本に帰国して少し経った頃。お父様が脳梗塞を起こし、ご逝去。さらにその2カ月後に、お母様に子宮がんが発覚。運命とは、なぜ、かくも残酷なのでしょうか。
 
「母をサポートしたい一心で、実家の呉服店を手伝うことにしました。お店は、番頭(支配人)さんとパートさんに任せて、私は経営を一手に担っていた母に代わり、経理を担当することに。といってもそれまで、金勘定なんてしたことがなかったので、簿記の基礎もわからず。母にやり方を教わりながら、なんとかこなしていた感じですね」
 
――帳簿を片手に病室へ通う日々が2年過ぎた頃、最愛のお母様がご逝去。悲しみに暮れる間もなく、ある選択を迫られます。それは家業を継ぐか、廃業するか――。答えを出すのに、そう時間はかかりませんでした。
 
「勤続65年、55年になる2人の番頭さんが“俺達がサポートするよ!”と背中を押してくれました。思えば(バリから)帰国直後に父が倒れ、店主の仕事をようやく俯瞰で見えるようになった頃、母が亡くなって。今振り返れば運命に導かれるかのように、三代目店主の道を歩むことになった気がします」

“若い人にも着物を楽しんでもらいたい”
おしゃれな着物が揃う、カジュアルな呉服店へ

▲取り扱う生地は、すべて坂本さんがセレクト。おしゃれなデザインが多いと評判!


――そうして31歳の時に、三代目店主に就任した坂本さん。“若い人にも着物に目を向けてもらう”ために、大胆な方向転換をはかることに!
 
「黒留袖、振袖といったフォーマルな着物の販売を止めて、カジュアル着物をメインで扱うことにしました。当然番頭さんは、大反対! フォーマルな着物は利幅が大きいので、売上げの柱でしたから。ただ、留袖や振袖は着ていくシーンが限定されるし、レンタルが主流になっている時代です。特別な時だけでなく、普段から着られる着物を取り扱った方が未来は広がる。それにここだけの話、おしゃれな着物の方が売っていて楽しいですし(笑)」
 
――そうと決まれば、行動あるのみ! 商品の入れ替えを進めると同時に、壁紙を変えたり、照明をアンティークのランプにするなど、店舗の改装にも着手したのだそう。
 
「店構えを変えたら、少しずつですが、若い方にも入ってきていただけるようになりました。新規のお客様とお話していると、皆一様に『着ていく所がない』とおっしゃっていて。そこで、着物を着て各地を巡る“バスツアー”を開催することに。プランニングからバスの手配まですべて行うので大変ですが、うちで仕立てた着物で参加してくださるお客様も多く、当日は私が一番嬉々としているかも(笑)」
 
――さらに呉服店の旧来のイメージを変えるために、販売手法も見直したそう。
 
「多くの呉服店では、店頭の着物に販売価格が表示されていなかったり、100万円と記した商品が交渉で数十万円まで下がったりと、価格が不透明。昔ながらの販売手法に不信感を持っている人も多く、それが客足を遠ざけている要因のひとつだと感じていました。そこで、洋服店と同じように価格を明記し、値引き販売を止めました」
 
――お店のホームページを覗くとびっくり。創業65年の呉服店とは思えぬ、洗練されたオシャレなデザイン!
 
「今の時代、店舗に足を運ぶ前にどんなお店か検索することも多いですよね。そこでホームページがダサかったら、行くのを躊躇してしまう(笑)。ホームページは、お店に来る前のもうひとつの扉。オシャレなデザインを心がけ、小さい画面で操作をするスマホでも見やすいよう、潔くシンプルにしています」

▲坂本呉服店のウェブサイト。写真は、共立時代のご友人が撮影してくれたそう

自立している女性は、どんな境遇でも、
人生を楽しんでいる人

――老舗の看板に甘えず、改革を進めた結果、坂本呉服店は多くの着物ファンに愛されるお店へと成長を遂げました。
 
「ただ“自分が楽しいと思うこと”を追及した結果です(笑)。楽しさを重視する理由ですか? だって嫌々取り組むより、楽しいを軸に働いた方がアイデアも沸くし、モチベーションも高まると思うから。私が考える、自立している女性とは人生を楽しんでいる人。眉間にシワを寄せて、不満ばかり漏らしている人からは、ポリシーを感じませんよね。働いていても、家庭に入っていても、自分にとって大切なものを大事にして、目指す方向に向かって楽しんで取り組んでいる人が素敵だと思います」
 
――どうすれば、坂本さんのように人生を楽しめるのでしょう?
 
「好奇心を刺激する体験をたくさんしてほしいですね。私自身は在学中、イギリス、オーストラリア、バリ島と海外旅行を経験しました。最近の若い人は貯蓄志向で、海外旅行にあまり行かないという話を聞きますが、人生の守りに入るのはまだ早い(笑)!  新しい挑戦や体験は、私達の視野や想像力を大きく広げてくれますよ。人生を楽しむための力も、そういった経験を通して身につくものだと思います」
 
――インタビュー中、ずーーーっと笑顔の坂本さん。なんだか、こちらまで楽しい気持ちに? 笑顔でいることも、人生を楽しむ秘訣なのかもしれません。貴重なお話、ありがとうございました!

坂本社長の1日スケジュール

多忙を極める社長は、どんな1日を過ごしているの? そこには、効率よく働くヒントが隠されていました!

日中は、接客、経理仕事、問屋さんの対応、仕立て上がった着物のチェック。さらに仕立て屋さんへ発注、出荷作業などで大忙し。仕入れは月1、2回、お店の定休日に回ります。夜は自炊を心がけていますが、着物仲間、商店街の会合などで、外食することも多いとか。家に帰ると、根が生えたようにソファから動けないので(笑)、家事は朝にやる派。愛犬のモカちゃんとビターちゃん(トイプードル)が癒しの存在です。

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