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130th ANNIV. SPECIAL WEB MAGAZINE Advance! キャリア形成と自立志向を「ジブンゴト化」するウェブマガジン

vol.16

共立の卒業生にインタビュー!

働き女子のホントのキモチ

「編集者は、苦労も多いですが、出来上がった時の喜びも大きい仕事です」

2017.12.08

株式会社銀杏社

児玉牧子(こだま?まきこ)さん

漫画編集者。文芸学部?日本文学コース?1997年度卒業

今回は、結婚?出産を経てもなお、いきいきと活躍している先輩にインタビュー。お話を伺ったのは、漫画専門の編集プロダクション?銀杏社の編集者、児玉牧子さんです。

ご本人の言葉を借りれば“コツコツと愚直に”漫画の単行本に携わってきたという、キャリア18年のベテラン編集者。今まで関わった思い出の作品や、出産後の仕事への向き合い方など、たっぷりとお話を伺いました。

電車の網棚に置かれた漫画雑誌が、運命を変えた

「大学は八王子キャンパスで、通学に片道2時間もかかりました。特に、大学からの帰り道がとにかく長くて…。暇をつぶすために電車の網棚に捨て置かれた、漫画雑誌を読むようになったんです。それで、『編集王』という作品に出会い、“漫画の編集者”という存在を知りました」
 
大学入学時は教員を目指していたという児玉さんですが、元々、漫画が好きだったこともあり、一気に漫画編集者へ気持ちが傾いたといいます。
 
「でも、マスコミへの就職対策を何もしていなかったので、玉砕に次ぐ玉砕。卒業も間近という頃にやっと、小さな編集プロダクションへ滑り込めました。会社自体は、堅実でいい会社でしたが、入社ほどなくして、編集部が解散することになり…。それがきっかけで、漫画の編集への気持ちが再燃したんです」
 
その時に門を叩いたのが、現在所属する銀杏社。児玉さんは、あれよあれよという間に採用が決まり、運命に導かれるように、漫画編集者としての道を歩みはじめました。

▲「長い時間仕事をするのだから、おもしろくないのは嫌。好きなことといえば、漫画だったんです」と児玉さん

大学の学びが結実した、『あさきゆめみし』

受験勉強で古典や日本文学の魅力にはまり、大学も日本文学コースへ進学。大学では平安時代を専攻し、ゼミのテーマは『源氏物語』だったといいます。
 
「大学時代、教養科目で少女漫画界の巨匠?里中満智子さんが持続天皇を描いた『天上の虹』を活用して以来、里中さんのファンでした。他の歴史漫画も読んでいたので、入社した当初に出版社の編集部に配属されている先輩から『天上の虹』の単行本業務を命じられた時は、本当にうれしかったですね」
 
そんな歴史漫画好きの児玉さんに、ビッグチャンスが巡ってきます。
 
「入社3年目ごろ、大好きな『あさきゆめみし』の漫画文庫化の話がありましたが、当初はビッグタイトルすぎて、経験不足の私には任せてもらえませんでした。でも、どうしても諦めきれずに上司に直訴して、パッケージ案や文庫のデザイン案を数案、提案させてもらいました。その熱意とアイディアが買われて、担当させてもらうことになりました」
 
「当時、一緒に仕事をしたデザイナーも作品の大ファン。振り返ると、お互いに好きだったからこそ、納得するまで制作に没頭できたのかなと思います。『あさきゆめみし』は、全身全霊で作りあげた、忘れられない作品です。ちなみに、その時のデザイナーとは昨年、15年ぶりに仕事をご一緒しました。仕事でつながった人間関係がまた実を結ぶのって、すごくうれしい瞬間です」

▲「『天上の虹』は後に文庫BOXセット(奥)で、『あさきゆめみし』は完全版(左下)で、それぞれの制作時にも声をかけてもらいました」と児玉さん

作品の成長を同時体験した『のだめカンタービレ』

『あさきゆめみし』がきっかけで、「長期連載系歴史漫画といえば…」という存在になった児玉さんですが、作品の成長過程をリアルタイムで体験した『のだめカンタービレ』も忘れられない作品だといいます。
 
「『のだめ』は雑誌連載が始まった時から、「おもしろい!(自分が単行本を)やりたい!」と思っていましたが、当初は先輩が担当していました。その後、前任の先輩が退社することになり、7巻から私に任せていただけることになりました」
 
引き継いでほどなくして物語の舞台がパリに移ったため、漫画家のパリ取材には自費で同行したといいます。
 
「あの頃は、本当にがむしゃらで…。自費でパリに行ったので、ホテル代を節約するために、編集部の作品担当編集者の部屋に居候したり(笑)、『のだめカンタービレキャラクターBook』を作った時は、その担当さんと合宿もしました…。若かった?(笑)。でも、作品がどんどん大きな存在になるのを間近で見られたのは、本当にいい思い出です」

▲「単行本編集は、職人っぽいところがあります。たくさん失敗をして自分なりにノウハウを築くので、人にそのまま教えてもうまくいかない仕事かも…」

出産を機に、仕事への向き合い方に変化が

『天上の虹』『あさきゆめみし』『はいからさんが通る』『のだめカンタービレ』と、数々のレジェンド作品に携わってきた児玉さんは、「20代と30代前半は、一心不乱に駆け抜けた」と話します。そんな彼女は現在、6歳の子どもを持つワーキングマザーでもあります。
 
「編集の仕事は、正直、子育てと両立するのは大変な職業だと思います。私の場合は幸いなことに、両立する道を作ってくれた会社とママになった先輩たちのおかげで、続けられています。でも、出産を機に、仕事の向き合い方は少し変わったかもしれません。細かい部分はこだわりすぎず、任せられるところは一任できるようになったかも…。全力投球の仕事スタイルでは、家庭がまわりませんから(笑)」
 
懸命に突き進んだ20代?30代のキャリアを生かし、仕事も子育ても柔軟に楽しむ児玉さんに、編集者の仕事の魅力を聞きました。
 
「編集っていろんなジャンルがあると思いますが、自分の興味のあるジャンルを仕事にできる可能性があると思います。苦労は多い仕事ですが、出来上がった時の喜びも大きい。それに、自分の仕事の先に、お金を出して作品を手に取ってくれる人がいると思うと、結構、頑張れるものです。ある程度の覚悟を持って飛び込んでくれば、編集という仕事は、一生楽しめる仕事だと思います」
 
「自分が漫画で勉強をしてきたタイプなので、日本や世界の歴史や文学作品などを扱う“ためになる漫画”に積極的に関わりたい」と今後を語る児玉さん。家庭もおろそかにすることなく、好きな仕事に邁進する先輩の姿は、多くの共立生のお手本になることでしょう。

※ 記事中の情報は取材当時のものです。現在の状況とは異なる場合がございます。

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